濤沸湖(とうふつこ)
- 冬、流氷におおわれるオホーツク海沿岸の汽水湖、塩性湿地。原生花園は花の楽園
- 湿地のタイプ:汽水湖
- 位置:北緯43度56分、東経144度23分/標高:1m/面積:900ha
- 保護の制度:国指定鳥獣保護区特別保護地区、国定公園特別地域
- 所在地:北海道網走市、小清水町/登録:2005年11月

湿地の概要
北海道北東部のオホーツク海沿岸には、日本列島最北端の宗谷岬から世界自然遺産の知床半島にかけて、クッチャロ湖、コムケ湖、サロマ湖、能取(のとろ)湖、網走湖、濤沸湖などの湖沼が続いている。
そのいちばん南にある濤沸湖は、先住民族アイヌの言葉で「チカンプトウ(鳥がいつもいる湖)」と呼ばれる湖である。砂洲の発達でつくられた細長い砂丘によって海と遮断され、湖の北西部でわずかに海とつながっている汽水湖である。周囲27km、面積は900ヘクタール。平均水位は0.7mで、最深部でも2.5mときわめて浅い。渡り鳥にとっては絶好の環境にあり、中継地、越冬地として利用されている。
鳥がいつもいる湖:
ガン・カモ類は毎年6万羽以上が飛来し、特にオオヒシクイ、オオハクチョウ、ヒドリガモ、ミコアイサ、ウミアイサは東アジア地域個体群の個体数の1%以上をささえている。オジロワシ、オオワシも越冬におとずれ、日本では珍しいシマアオジも繁殖している。
湖岸の低地には塩性湿地帯が発達し、オオシバナ、ホソバノシバナ、エゾツルキンバイの群落が分布。淡水湿地帯にはヨシ群落、ヤラメスゲ群落、ヌマガヤ━ヤチヤナギ群落、ハンノキ林が分布している。なかでも秋に湖岸を真っ赤に染めるアッケシソウは、多くの観光客が見物に訪れるオホーツク沿岸湖沼群の人気者になっている。
湖にはコアヤモの藻場が形成され、ヤマトシジミやカキ、アサリなどの魚介類も生息する。
原生花園:
濤沸湖西岸からオホーツク海に続く砂丘上の約8km、面積275ヘクタールの湿原植生群落を小清水原生花園という。春から秋、ハマナス、エゾスカシユリ、エゾキスゲなど約40種の野生の花々が咲き乱れ、濤沸湖の美しい景観とともに多くの観光客が見物におとずれる。
これらの植生の維持、回復のため、開花前の春には毎年、野焼き(火入れ)がおこなわれている。
同じように湖畔の植生の維持のため、馬の放牧もおこなわれている。
【アッケシソウ】
高さ10-35cm。アカザ科の1年草。海岸近くの塩生植物の中では最も耐塩性がある。北海道から本州に分布するが、厚岸湖で最初に発見され、この名がつけられた。秋になると全体が鮮やかな赤色に染まる。
関連自治体
網走市役所 Tel: 0152-44-6111
http://www.city.abashiri.hokkaido.jp/
小清水町役場 Tel: 0152-62-2311
http://www.dosanko.co.jp/kosimizu/
当ページは湿地保全等の環境教育を目的に
下記、出典からの情報を掲載しております。

日本のラムサール条約湿地
━ 豊かな自然・多様な湿地と賢明な利用 ━
発行:環境省
http://www.env.go.jp/nature/ramsar_wetland/pamph02/index.html
