釧路湿原(くしろしつげん)
- 日本第1号登録の条約湿地。日本最大の泥炭湿原では今、自然再生事業の先進的な取り組みが進む
- 湿地のタイプ:低層湿原、淡水湖、河川
- 位置:北緯43度09分、東経144度26分/標高:3から10m/面積:7863ha
- 保護の制度:国指定鳥獣保護区特別保護地区、国立公園特別保護地区および特別地域
- 所在地:北海道釧路市、釧路町、標茶町、鶴居村/登録:1980年6月

湿地の概要
釧路湿原は、北海道東部、釧路市の北に広がる1万8000ヘクタールの日本最大の湿原である。かつて海だったが、海が後退し、太平洋と開口部に砂嘴が発達するにつれ汽水湖となり、3000年程前から砂嘴の内側の湖底に泥炭の蓄積がはじまって、次第に今のような湿原が形づくられた。東、北、西をぐるりと丘陵に囲まれ、釧路川、久著呂(くちょろ)川、雪裡(せつり)川などが大きく蛇行しながら流れ込み、その支流が湿原を網の目のように走っている。湿原の東側にはシラルトロ湖、塘路(とうろ)湖、達古布(たっこぶ)湖の3つの淡水湖沼があり、また湿原には大小のいくつもの沼が点在、ヤチマナコが口をあけている。
泥炭地の約80%がヨシ・スゲ群落とハンノキ林に特徴づけられる低層湿原で残りの約20%をヌマガヤ、ヤチヤナギを主とする中間湿原、ミズゴケ群落を主とする高層湿原が占めている。高層湿原にはトキソウ、サワラン、ホロムイソウなど、さまざまな植物が生育している。氷河期の残存種といわれるクシロハナシノブは、この地方の固有種である。
野生動物も哺乳類26種、鳥類約170種と生物相豊かで、世界的に絶滅の危機にあるタンチョウやシマフクロウ、オジロワシ、オオワシなども見られる。キタサンショウウオの生息地でもある。
タンチョウの保護:
日本では主に北海道東部に生息するタンチョウは、1890年頃、一時は絶滅したと思われていた。しかし1924年、釧路湿原で少数が生き残っているのが発見され、1952年から地元の人々によって給餌が成功し、現在の生息数は約1000羽にまで増加している。湿原の北西、鶴居村にはタンチョウサンクチュアリがある。
湿原の再生事業:
釧路湿原はかつて面積3万ヘクタールの原生林に囲まれた広大な湿原だったが、流域の経済活動の拡大にともない、湿原面積は著しく減少してきた。また水位が低下、乾燥化が進み、ヨシ、スゲにおおわれていた低層湿原が一部ではハンノキ林に変化しつつある。このため、2003年に自然再生推進法が施行されたのをうけて、関係行政機関、NGO、地域住民などにより「釧路湿原自然再生協議会」が設立され、釧路湿原再生の取り組みがはじまった
【タンチョウ】
全長140cm、翼長250cmの大型のツル。体の色は白で、喉から首にかけて黒色。尾そのものは白いが、翼の後縁に黒い帯状の部分があり、たたむとまるで黒い尾のように見える。日本で繁殖する唯一のツルで一夫一妻で繁殖し、広い縄張りを持つ。釧路湿原では、鶴居村などで冬に保護のための給餌がおこなわれいる。
関連自治体
釧路国際ウェットランドセンター Tel: 0154-31-4594
http://www.kiwc.net/
当ページは湿地保全等の環境教育を目的に
下記、出典からの情報を掲載しております。

日本のラムサール条約湿地
━ 豊かな自然・多様な湿地と賢明な利用 ━
発行:環境省
http://www.env.go.jp/nature/ramsar_wetland/pamph02/index.html
